日常的にコンタクトを使用している方の中には、外した後の目の痛みや充血にお悩みの方もいるのではないでしょうか。
コンタクトを使用する上で、なぜ痛くなるのか、どのように対処すべきかを知っておくことはとても重要です。
この記事ではコンタクトを外した後、目が痛くなる理由や、その解消法について紹介します。
コンタクトを着用していて、目が痛くなったり充血した経験のある方も多いでしょう。
これは乾燥や自分に合ったコンタクトを使っていないことが原因です。
目の乾燥は痛みの大きな原因の一つです。
コンタクトレンズをつけると、水をはじくため、裸眼の時よりも目が乾きやすくなります。
人間はまばたきにより目の表面に常に涙の膜をつくり、目の乾燥を防いでいます。
コンタクトをつけると、涙の膜がはじかれてしまうので、ドライアイにつながりやすくなるのです。
コンタクトを長時間つけると、目が乾燥しやすくなり、涙で外の刺激から目を守る働きが弱くなることで目が炎症を起こすケースもあります。
また、コンタクトによりまばたきが不完全になりやすい点も乾燥の大きな要因です。
コンタクトをつけることによる酸素不足も、目の痛みにつながる大きな要因です。
酸素不足になると、目が逆に酸素を取り込もうとして血管拡張を促すため、目の充血が発生しやすくなります。
コンタクトには、製品ごとに適切な装着時間・使用期間が定められています。
装着時間を超えて長時間つけたり、1DAYのものを数日つけたりすると、充血や乾燥、目の痛みといったトラブルにつながりかねません。
また、目の痛みはコンタクトの汚れによっても引き起こされます。
レンズが汚れていると感染症や角膜への悪影響につながる恐れがあるので注意しましょう。
コンタクトが目に合っていないと、目の痛みや充血につながります。
コンタクトが目に合わないと感じる場合、原因はレンズの曲がり具合を表す数値である「ベースカーブ」が自分の目に合っていないことが原因かもしれません。
レンズが目にフィットしない感じがする人は、再度眼科に行き、目の「角膜曲率半径」を測る検査を受けることをおすすめします。
コンタクトをつけていると、外部からの汚れや目の分泌物による汚れなどが付着します。
コンタクトに汚れがついていると、それが目に付着し角膜などを傷つけてしまうかもしれません。
そのため、1日だけつける1dayのコンタクト以外は、着用前と後に毎回洗浄することが大切です。
また、コンタクトを爪で引っ掻いた、外部からの衝撃が加わったなどの理由でレンズが傷ついたり欠けたりする可能性があります。
このようなレンズの傷も目のトラブルにつながりかねません。
そのため、使用前にレンズを観察し、傷や欠けている箇所がないか観察してから使用することが必要です。
目の痛みだけでなく、ゴロゴロする感じや、充血が長期間続く場合は何らかの目の病気になっている可能性があります。
コンタクトをつけている方に多いのが、「角膜上皮障害」や「細菌性角膜炎」にかかっているケースです。
角膜上皮障害は、酸素透過性の低いレンズを長期間使用すると起こりやすい病気です。
目が酸素不足になることで、角膜が腫れたり、炎症を起こして、目の充血が起こります。
細菌性角膜炎は、角膜上皮障害に加えて細菌(カビやアメーバ)が目に入ることで起こる病気です。
アメーバは水道水に生息することが多い細菌で、消毒の不十分なレンズや水道水を使用した際に感染しやすくなります。
コンタクトを常用している方で、外すのを忘れてそのまま寝てしまった経験があるという方もいるのではないでしょうか。
コンタクトをつけたまま寝ると、目を傷つけたり充血したりといったトラブルにつながる恐れがあります。
どんなリスクがあるのかを詳しく解説します。
コンタクトをつけていると、裸眼の時より目が乾燥しやすくなります。
加えて、寝ている間は起床時より涙の分泌量が少なくなるため、目に入った汚れや細菌を涙で洗い流すことができず、充血や目やにの原因になるのです。
コンタクトをつけたまま寝ると、裸眼で寝るよりも目が乾燥しやすいです。
コンタクトを目から簡単に取り外すには、ある程度目の水分量が必要となるため、外す際に苦労する可能性があります。
その際に無理に取り外そうとすると角膜が傷つき、感染症や目の痛みを引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
加えて、コンタクトをつけたまま寝ることで、コンタクト自体が眼球の裏に入り込んでしまう場合もあります。
その際は無理に自分で取ろうとせず、眼科を受診するようにしましょう。
コンタクトをつけたままだと、目が酸欠状態になります。
目の酸欠は、角膜がむくんでしまうのに加え、ダメージを受けやすい状態ということです。
放置すると、角膜炎という目の病気にかかりやすくなる、視界に影響を与える角膜内皮細胞が減るといったリスクが高まります。
コンタクトを外した後目が痛くなってしまった場合は、目のダメージをケアするために適切な対処法をとる必要があります。
目が痛くなった、充血した等の場合は以下の対処法を試してみてください。
涙の成分の一つである油層(脂質)は、意外な場所に存在します。
実はまぶたの縁から分泌されるのです。
油層は涙の蒸発を防ぐ働きをすることから、不足すると目の乾燥につながります。
そのため、まぶたを温めることで油層の分泌を促すことが大切です。
コンタクトを外すと目が痛くなる症状が頻繁に現れる場合、コンタクトがご自身の目に合っていない可能性が高いです。
特に、ベースカーブが合っていないコンタクトを使用すると、充血や角膜を傷つけることにつながるだけでなく、眼精疲労などを引き起こす可能性があります。
コンタクトが合っていないと感じた際は眼科に行って検査を受け直す、レンズの種類を変えてみるといった対処法が必要かもしれません。
コンタクトは装着するだけで、目に一定の負荷をかけることになります。
ずっとつけていると、眼精疲労や頭痛の原因にもなるため使い過ぎはあまり良くありません。
目の痛み、充血が生じた際は数日間コンタクトをメガネに変えると、目のダメージの回復につながるのでおすすめです。
上記の対処法を講じても症状が改善しない、という場合は無理せず眼科を受診することをおすすめします。
目の痛みや充血は、目が疲れている、通常の状態でないというサインです。
放置すると、治療が必要な目の病気へとつながる可能性があります。
病院に行くことで、個人に合った適切な目のケア方法を教えてもらえる点も推奨ポイントです。
アイケアサロンに行くことも効果的です。
アイケアサロンというとあまり馴染みがないかもしれませんが、マッサージなどと同じで、目の周りだけでなく、肩や首、フェイスライン等の凝りをほぐすことで、慢性的な眼精疲労等の改善が期待できます。
コンタクトレンズによる目の痛みや充血を軽減するには、目のケアだけでなくコンタクトそのものの扱いも重要です。
コンタクトを使用する際に意識するポイントを解説します。
コンタクトは、商品ごとに「1day,2week,1month」など着用できる期間が決められています。
この期間を過ぎた後も使い続けると、さまざまな目のトラブルの原因になるため軽視は禁物です。
実際、2weekのコンタクトを1ヶ月使い続けた結果、角膜の炎症を発症したケースも報告されています。
使用する際は、使い始めた日を記録し、期間を守って着用しましょう。
【参考】政府広報オンライン
コンタクトが汚れる原因は基本的に外部からの汚れか、目の分泌物による汚れの2種類があります。
女性の方は特に、化粧品による汚れが頻発するのでメイクのついた手でコンタクトに触れないよう意識しましょう。
コンタクトを洗浄する際は、基本的に医師の指示やコンタクトの説明書を熟読した上で行います。
装着する前と後にコンタクトの洗浄を必ず行いましょう。
洗い方はソフトコンタクトとハードコンタクトで若干異なります。
ソフトコンタクトを洗う際は、水道水を使わないようにしましょう。
水道水を使ってしまうと、水道水に含まれるアメーバがレンズにつき、目のトラブルにつながるおそれがあります。
ハードコンタクトを洗浄する際に重要なのが「こすり洗い」をすることです。
しっかりこすり洗いを行って毎回汚れを落とすことが大切です。
洗浄方法としては他に「つけおき洗浄」がありますが、こすり洗いに比べて洗浄力が劣るため、こすり洗いとの併用がおすすめです。
最近のハードコンタクトはデリケートで傷つきやすいため、取り扱いには注意しましょう。
【参考】日本コンタクトレンズ学会
目の状態は常に変化するものです。
コンタクトを使用している間に、自覚しないうちに目にダメージが生じている可能性も考えられます。
そのため定期的に眼科を受診して、自分に合ったコンタクトに更新する、目の状態を検査してもらうといった対策が効果的です。
コンタクトをしたあとに目が充血する原因や、その後のケアの方法などについて紹介しました。
コンタクトは多くの人々の日常に欠かせないものですが、正しく使わないと目の充血や病気の原因になり得ます。
悪化させると失明など重大な結果につながる可能性もあるので、軽視せずケアすることが大切です。
正しい目のケア、コンタクトの洗い方をして、快適に使用しましょう。
2024.7.24